オリジナル曲「悪魔降臨」について


   
@曲を作った経緯

    この曲を作り始めたきっかけは、「指一本」でした。
   確か「仮面舞踏会」の次に作った曲なのですが、SK-88pro(MIDI音源SC-88proのキーボード版)で、
   「なんかいい音色ないかなー」と、新たな音色を探していたところ、この曲のイントロの音色
   (ジュリアナ東京(死語)とかで使われていたっぽい音?)が見つかり、指一本で適当に弾いていたら
   イントロが出来てしまいました。
    そのイントロがあまりにも邪悪な雰囲気だったので、とりあえず「悪魔降臨」と名付けました。
    また、メタルっぽいのを一度作ってみたかったので、16分のドラム・ベース・ギター・シンセを
   ひたすら打ち込んでみたところ、最終的にあのような形になりました。
    歌詞はその後、曲の雰囲気に合わせて付け加えました。

    一応、バンド用に作った曲だったんですが、「こんな曲をどうやってライブで演奏するんだよ!」
   という事で「仮面舞踏会」同様、ずっとお蔵入りしていました。まさかVOCALOIDが歌う形で世間に
   初披露目する事になろうとは夢にも思っていませんでした。
    (そもそもVOCALOID自体が昔から「こんなのあったらいいな!」と思っていた夢のようなソフト
     なのではありますが)


   
A曲の構成について

    この曲は、クリシェを多用しています。
   クリシェっというのは、コード進行のパターンの1つで、ベース音が全音、もしくは半音ずつ下がっていく
   コード進行の事です。(そういう意味では、カノンもクリシェの1つですね)
   
    特にサビのコード進行は、クリシェではありますが、自ら編み出した完全オリジナルのコード進行で、
   プロの誰もが使ってるのを聴いた事がありません。
  (…と思いきや、ほぼ同じコード進行を持つ曲を最近発見してしまった!それは…チー○ー○ンw)
    ともあれ、この何処までも堕ちて行く雰囲気のコード進行は、「悪魔降臨」にピッタリだと思ってます。

    Bメロは、「ノイローゼ」や「発狂」を表現したかったので、音楽理論もコード進行も完全無視で、思うがままに
   電子音を打ち込んでいきました。
    この曲を作ってる時は、相当テンションが上がっていて、エンドルフィン(脳内麻薬)出まくりという状態だった
   のですが
今何も無い状態から同じものを作れ、と言われたら多分無理だと思います。
   
    また、この曲も転調しまくってますが、特にサビからAメロの調に戻れなくて苦労しました。それをごまかすために
   サビ後の半音ずつ上がっていくコード進行(動画でいうと○ンクがズームアップする箇所)を加えました。
   あのアレンジ以外で元の調に戻る方法を、私は思いつきませんでした。

    間奏のギターソロですが、前半は同じ音を連打しまくり、後半は伸びのある音を使用、と対称的にしています。
   
両方ともサビと全く同じコード進行ですが、変化があって面白いのではないでしょうか。
   


  
 B歌詞について

    (この解説を書いている時点で)ニコニコ動画のコメントを見る限り、誰も気付いていないようなので、
   ここでカミングアウトしておきますが、この曲の歌詞は実は「ネット中毒」をテーマにしています。

    ちょっと昔話をしましょうか。
    今でこそインターネットは高速で、定額制が当たり前ですが、流行り始めの頃はダイヤルアップ回線(64kbps)
   
が主流、かつ
23時以降にならないと定額制にならない「テレホーダイ」という料金システムでした。
    なので、その当時は深夜になると、誰もがこぞってインターネットをやり始め、朝までハマっている、という状態でした。
   しかも、異様に重いので、滅茶苦茶イライラする、という悪循環です。
    ネット上には色んな意味で珍しいものや、怪しいもの(つまり鼻血が出そうなものw)がたくさん転がってる訳ですから、
    私もご多分に漏れずハマってしまい、「ネット中毒」、いや「廃人」でした。

    …という背景があり、「このままじゃいけない!」と思い、自戒と懺悔の意味を込めて、この曲の歌詞を書いた訳です。
    (しかし、今でもあまり変わっていないかもしれません…w)

    で、実際にどう作って行ったのかというと、

    「悪魔降臨」というネーミング
    → 「悪魔」と「コンピュータ」というキーワードから発展させて行こう。
    → 「女神転生」に似てるなあ。(3Dダンジョンが超ニガテなので、殆どプレイした事はないけれども)
    → 「コンピュータという魔法陣から抜けだした悪魔」という歌詞が最初に思い浮かぶ。(イメージだけ拝借)
    他にも、
     「悪魔」といえば、「洗脳」、「神」、「罪」
     「神」といえば、「十字架」、「裁き」、「最後の審判」

    といった感じで、曲の背景&連想ゲームで、言葉を敷き詰めて行ったのでした。
  
    まあ、でも聴く人によって色んな捉え方があるでしょうし、上記のような背景など気にせず、歌詞をそのまま
   ストレートに受け取ってもらった方が面白いかもしれません。



   
Cボーカルパート、音色について

     そろそろ暗い曲やりたいなーと思っていたので、「もっと夢を集めて」の次にこの曲をやろう、と決めていたものの、
    Vocaloidの誰に歌わすかでちょっと悩みました。

     ミク → 声が可愛過ぎて曲調に合わないので却下
     レン → 声はロック向きだけど、健全な青少年に歌わせる曲じゃないよね、という事で却下
     リン → ヤンデロイドと言われていたものの、流石に可哀相なので却下
     KAITO → 声質が全然合っていない気がするが、何気に腹黒そうだし、まいっか

    という訳で、歌い手はKAITOさんに当確しました。
    しかし、問題は声質。無加工じゃ全く曲調に合ってません。なので、KAITOの声にディスト―ションかましました。
    (Gacktの曲でもそんなのがあったので!)
    お、意外といける。で、1オクターブ下も追加したら、深みのあるいい声になりました。
    高いところで声が裏返ってしまうのがKAITOの難点ですが、そこは猛特訓でクリアしました。

     あと、サビで左右にコーラスを2つ入れてます。つまり、4声コーラス。
    なので、KAITOの声だけ聴いていると、男声合唱というか、クラシックっぽいかもしれません。


     ボーカルパート以外で音色にこだわった所としては、

    ギター … 打ち込みですが、メタルっぽくなるように高音&低音を強調、ディスト―ションかけまくり。
            ちなみに、メロごとに音色を分けてます。
    ベース … 邪悪っぽく、「ミョミョミョミョミョ」となるように加工
    ドラム … とにかく首を振れるようにするため、スネア音を強調
    シンセ … 音割れた感じにしたかったので、うっすらディスト―ション

    です。おっと1つ忘れていた。Bメロのあえぎ声はネットから適当に拾ってきましたw


   
D動画について

    
    最初、実は「悪魔降臨」の絵を全部自分で描こうと思ってました。
   今までのようにパケ絵のKAITO(の加工)では到底この曲調を表現できないと思ったので。
   しかし、絵師でもない人間が、絵を描いてみたところで上手くいく筈もなく、出来上がったのは
   2番サビとギターソロ後半の2枚だけ…。(しかも、2番サビの方は某宗教画のラクガキ…)
   なので、今回は初めてピアプロで絵をお借りしようと思いました。
    歌詞に合わせて、「ダーク」かつ「写実的」な絵がいいな〜と考えつつも、多分そんなKAITOを
   描いている人はいないだろう、と思って探してみたら、意外と居たw
    で、使わせてもらいます、と事前報告をしておき、了承をもらえたので、以下のようなイメージで
   動画を作らせて頂きました。
   
    イントロ、最後  … 悪魔に乗っ取られた後のKAITO

    Aメロ        …  悪魔に乗っ取られそうになるKAITO
    Bメロ、サビ後  … ノイローゼなKAITO(って殆ど無加工w)
    サビ        … 泣き叫ぶKAITO、懺悔するKAITO
    大人の事情   … ナモナキP氏の「今夜がスパンキー」みたいな絵を探しましたが、
                  ピアプロでは流石に見つからなかったので、泣く泣く黒塗り
    間奏        … 病んでるKAITO
 
    ちなみに、全体的にチカチカしてるのは仕様です。実際にライブでやる場合、特にギターソロの所では
   ストロボ効果(白と黒のチカチカ)をかけてもらおうと思って作ったので!



  …と、あれこれ考えながら作りました。
  曲調がテクノというかデジタル的で、コンピュータとかネット中毒をイメージしているのに対し、

 歌詞が魔法陣とか悪魔とかアナログ的で、かつメロディラインがクラシック調?という対比で、
 なかなか面白い曲に仕上がったのではないか、と思います。

  それにしても、今まで公開されてきたKAITOの曲の方向性を完全に無視した、こんな激しい曲でも
 意外と需要がある事にビックリしました。(最悪、袋叩きに遭うのも覚悟してたんですが…w)

  という訳で、悪魔に洗脳されない程度に(←ここ重要)、この曲と、ネットライフを楽しんで下さい!
 それでは皆さん、ご一緒に!


 「ヴァイッ!」


戻る

inserted by FC2 system