オリジナル曲「もっと夢を集めて」について


   
@曲を作った経緯

    この曲は、私がバンドをやっていた頃の中でも、後期の作品となります。
   (もっとも、歌詞が完成したのはつい最近で、当時は3分の1ぐらいしか出来ていませんでした)

    曲調からも分かる通り、私はギター弾きでして、やはり曲を作る上でも、「ギターがとにかくカッコいい」曲を
   作りたい、と常日頃から思っていました。
    そんな中でも、「1曲中ずっとギターソロ」、「ボーカルと同じ音域で、かつお互いを邪魔しない」をコンセプトに、
   作り始めたのがこの曲です。
    まずはサビのギターのフレーズから作り、次にそれに合うボーカルラインを色々試していたところ、
   「もっと夢を集めて〜」という歌詞を思い浮かびました。
   こうして、「夢」をテーマにした歌詞とメロディが徐々に出来ていきました。

    去年の年末にVocaloid「鏡音リン・レン」を購入し、さて、何を歌わせようか。。。と模索していたところ、
   私の曲の中でも、精神年齢が若いと思われるこの曲、「もっと夢を集めて」に白羽が当たりました。
    歌詞が未完成で、宙ぶらりんになっていたこの曲は、このような形で復活したのです。


   
A曲の構成について

    この曲は私が最も得意とする構成になっており、

    (サビ→Aメロ→Bメロ)×2→サビ→ギターソロ→Bメロ→サビ

   になっています。ただし、サビ、Aメロ、BメロいずれもKey(調)が異なります。
   (私は転調マニアでして、自然に聞こえる転調のパターンを色々研究しています)
   ちなみに、ギターソロのコード進行は実はサビと全く同じです。メロディが違うだけでも
   結構印象が変わって聴こえて面白いんじゃないかな、と思っています。
   
    また、この曲は、ボーカルもギターもハモりまくってますが、これは「仮面舞踏会」を制作した時の
   経験が生きています。バンド時代、私はハモリを軽視していましたが、ハモリがピタリとはまった時、
   メロディが凄く綺麗に聴こえるんだな、という事を最近痛感しています。
  
    あと、この曲はボーカルラインやギターだけじゃなく、ベースラインやドラムパートもカッコよく
   仕上げたつもりなので、注目してくれると嬉しいです。


  
 B歌詞について

    ニコニコ動画の紹介文では、「夢に向かって頑張ってる人達の励みになればと思って作った」と書きましたが、
   正確には、「夢に向かって頑張っている自分自身」の想い、夢に対する考え方を詞に乗せています。
   (VOCALOID達に出会ってなかったら、きっとこの曲の歌詞を完成させる事はできなかったでしょう)
    そしてそれは、同じく夢や目標に向かって頑張っている人達にも通じるのではないか、と考えています。

    この曲の歌詞はとにかく「語呂重視」で作りました。語呂が合えば合うほど、歌詞がストレートに心に届くためです。
   そのため、泣く泣く削った歌詞もたくさんありますが、語呂を犠牲にしてでも、どうしても入れたかったフレーズがあります。
   それは『不可能を現実にしてみせる』です。ちょっと強気かな?と思いつつも、凄く心強く胸に残る言葉だと思います。
  
    あと、この曲の歌詞で一番気を使った所は、「説教臭くならないこと」です。
   例えば2番のAメロは最初、「自分見失いかけてないか?」、「他人の真似ばかりせずに」というように、聴き手に
   呼びかけるような歌詞だったんですが、それよりも、歌い手の想いを述べる形にした方が、聴き手に考える余地が
   生まれるんじゃないか、と思い、今の形にしています。


   
C調教について

    もともと、私は「調教」という言葉があまり好きではありません。VOCALOID使いにとっては今や当たり前の言葉ですが、
   本来「動物に芸を仕込む」という意味ですし。(とは言え、私も使ってますね。サーセン)
    私はVOCALOID達は単なる音源ではなく、「代わりに歌ってくれる私の分身」であり、「私の脳内バンドのボーカル君」
   と捉えているため、ステージ衣装にもこだわりますし、凡人よりも遙かに上手く歌ってほしいと考えています。
   (私自身、カラオケ好き、という事もあり、歌にはうるさいです。自分より歌が下手な人はバンドのボーカルを
    務めてもらいたくない、と考えています)

    という訳で、レン初挑戦とは言え、「上手く歌い切れるまで決してデビューさせない」という頑なな気持ちで
   調教、もといトレーニングに臨みました。まずはイントネーションの不自然さを消す事に注力し、そこだけで1週間以上
   費やしました。
   
    最後の壁が「不協和音」です。この曲には避けて通れない不協和音が2音ほどあり、そこを自然に響かせるために
   音程やビブラートを数100通りは試したと思います。(音楽理論にケンカ売る、という無謀な挑戦を繰り返してました)
   不協和音ばかり聴いていたものですから、途中でノイローゼ気味になり、メロディの変更や、この曲の公開取りやめさえ
   考えましたが、先ほどの「不可能を現実にしてみせる」という言葉を胸に、無数の解のうちの1つを見つけ、
   何とか公開に漕ぎつけました。(もっと良い解があるかもしれませんが、とりあえず現状試した中ではベストの解です)
   前作から公開まで1ヶ月もかかってしまったのは、それが一番大きいです。


   
D今回初挑戦したこと
    
    この曲は、今まで公開した曲と比べ、仕上げ方が大きく変わっています。

    
1.全パートをWave化し、録り直した。(本格的にミキシング)
      今までは、ボーカルライン以外はMIDIで鳴らし、BGM全体を録音してWave化していましたが、それだと
     各パートごとのエフェクト処理、音量調整ができません。
     (いや、MIDIでも出来る事はできますが、ちょっと各パートのバランス変えたいだけでも、また一からBGMを録り直しです)
      そのため、全パートを個別に録音し、Waveファイル化しました。
     おかげで、ずいぶん私のイメージに近い音のバランスにする事ができたと思います。

    
2.DAWソフトの導入
      私は今までDTMソフトの「Cakewalk Home Studio」で曲を作っていましたが、それでは1.を実現できない
     事が分かってきました。というのも、そのソフトはMIDIを鳴らすのが主目的のソフトで、現在のようにオーディオ
     主流の時代のソフトではないため、Waveを4つまでしか同時に鳴らせないのです。
      今回、10パート以上あるので、作曲ソフトをDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーションの略らしい)の
     「SONAR LE」に切り替えました。これだとWaveを同時にいくつでも鳴らせますし、エフェクトも全パートに
     かける事ができます。
      最初は馴染みの無い画面で、スライド(小節ずらし)やフェードアウトのやり方すら分からず、四苦八苦して
     いましたが、この曲の制作を通じて、ようやく使い方が分かってきました。

    
3.Re-Wireの導入
     「Vocaloid」では打ち込んだ歌声をWave化する事ができますが、上記のように数100回も歌声の修正&
    Wave化を繰り返していると、いつまで経っても調教が終わらず、本当に気が狂いそうになります。。。
     ところが、Vocaloidの説明書をよく読んでみると、他の作曲ソフト上でVocaloidの音声を再生できる「Re-wire」
    機能がある、と書いてあるじゃないですか。
     「もしや、この機能を使えば、わざわざ修正の度にWave化せずとも、BGMを鳴らしつつ、試聴できるのでは?」
    と思い、やはり四苦八苦しながらRe-wireの使い方を覚えたところ、これがドンピシャ。
     おかげで今までの数倍の効率で調教が進むようになりました。

    4.エフェクト「Compresser」を使ってみた。

     「Compresser」自体は、ギタリストにとって馴染みのあるエフェクターで、「音量のバラつきを揃える」効果があります。
    今まで私は「そんなの使ったら、音の強弱が付けられなくなるじゃん」と思い、バンドをやっていた頃も、殆ど使った事は
    ありませんでした。
     ですが、色々レコーディング系の雑誌を読んでみると、その真の活用法は「音圧を上げる」事にあり、
    「プロとアマの音の差は音圧にある」とまで書かれてました。
    ホンマかいな…と思い、雑誌に記載されたパラメータに従い、ギターパートにCompresserをかけてみたところ、
    「……。うーん、言われてみれば、確かに音の厚みが増したような気がする?」といった印象です。
    という事で、今回は各ギターパートにCompresserをかけてみました。ちょっとは音質が良くなった、、、かな?

 

 という訳で、私自身、制作の過程で色々とチャレンジし、いくつかの「不可能を現実に」塗り替えてきた曲です。
 この曲を聴いてくれた皆さんも、「やる前から結果が見えてる」などとは思わずに、何事にもチャレンジしてみて下さい。
 「動き出せば必ず道は見えてきます」から。

 

戻る

inserted by FC2 system